病気で借金返済ができない場合の対応方法

病気によって就労が困難になって収入を失ったことや、短時間の業務にしか就けず収入が減少してしまったことにより、借金返済が難しくなるのは珍しくありません。

このような場合の現実的な対応方法のひとつとして、債務整理があります。

債務整理は法律を用いて借金等の返済負担を軽減する方法の総称であり、具体的には任意整理、個人再生、自己破産の３つがあります。

例えば、近い将来回復の見込みがある場合や、一定の収入が維持できている場合は、一般的に残債務の元金、経過利息、遅延損害金の合計額を３～５年間程度で分割返済できるようにする任意整理も可能です。

長期的に収入が減少すると見込まれる場合は、債務を大幅に減額できる可能性がある個人再生や、返済義務そのものを免除してもらう自己破産を検討することになります。

まずは弁護士に相談し、健康状態や生活状況を踏まえて、適切な選択を行うことが大切です。

債務整理によって借金返済の負担を減らすことができたとしても、生活を維持できなければ、再度借金をせざるを得なくなります。

生活費を確保し、最低限の生活を維持することは、債務整理と並行して進めていく必要があります。

病気によって就労が困難になっている場合でも、傷病手当金や障害年金、生活保護など、収入を確保するための制度的支援を活用することで、最低限の生活費を確保できることがあります。

病気の長期化している場合や、後遺症がある場合など、今後の返済が現実的に不可能であるといえるときには、自己破産による解決が現実的な選択肢となります。

自己破産は裁判所を通じた債務整理の方法であり、免責決定を得ることで、一部の例外を除く債務の支払い義務を免除してもらえる手続きです。

特に、本人に落ち度がない病気が原因で返済ができないという事情は、免責を許可する方向に働きます。