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「任意整理」に関するお役立ち情報

任意整理が子供の奨学金に与える影響

  • 文責:弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2025年8月5日

1 基本的に任意整理は子供の奨学金に影響しません

親が任意整理を行っていたとしても、基本的に子供自身が奨学金を借りることへの直接的な影響はありません。

一般的に、奨学金の借入れの申込みをした際には、申込者である子供本人の成績や、家庭の経済状況(主に収入)をもとに審査がなされると考えられるため、親の経済的な信用状況までは通常調査されません。

ただし、奨学金を借り入れる際の保証制度の選び方によっては、親の経済的な信用が間接的に影響を及ぼす可能性があります。

以下、親の任意整理と子供の奨学金との関係、および奨学金を借り入れる際の保証制度の選び方について説明します。

2 親の任意整理と子供の奨学金との関係

奨学金の申込み時には、世帯収入を伝える必要があることはあり得ますが、親の信用情報の提出まで求められることや、信用情報を調査されるということは通常ありません。

そのため、親が任意整理をして信用情報に事故情報が登録されているとしても、借入れに直接影響を与えることはないと考えられます。

ただし、奨学金の借入れの際には、連帯保証人を立てる(人的保証)か、保証機関に手数料を払って保証してもらう方式(機関保証)のいずれかを選択する必要があります。

親が任意整理をしていると、連帯保証人になることができないことがあるといわれています。

人的保証を選択する場合には、親以外の人(別の親族など)を連帯保証人にするなどの検討が必要です。

3 奨学金を借り入れる際の保証制度の選び方について

親の信用情報が悪化していて、連帯保証人にすることが難しいと考えられる場合に有効な方法として、機関保証制度の利用が挙げられます。

機関保証を利用する場合には保証料が必要にはなりますが、個人の保証人を立てる必要がなくなるため、親の信用情報にかかわらず奨学金を借り入れることが可能となります。

機関保証は、奨学金に限らず、マンションやアパートを賃借する際などにも広く用いられていますので、親の信用情報にかかわらず選択肢に含めて検討することをおすすめします。

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